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ブォングストさんは僕にとって「盟友」

ポンテベッキオ オーナーシェフ 山根大助氏

「ポンテベッキオ」と言えば誰もが知っていると言っても過言ではないリストランテ。料理、空間、すべてにおいて最高のものであり、ファンが多数いらっしゃる店舗様です。オーナーシェフの山根大助氏とブォングスト、実は30年以上のお付き合いがあります。今回は山根シェフにブォングストとの繋がりや想いなどを聞かせていただきました。

 

Interview date : 2024年2月
Place:ポンテベッキオ北浜本店

初めてブォングストから仕入れたのは乾燥ポルチーニ

 

ーーブォングストと出会ったときのエピソードを覚えていますか?

 

最初のお店をオープンして3~4年経った頃だったと思います。突然店に飛び込みで来てくれました。当時関西のイタリアンのお店の中でも知られた存在になってきていたころです。

 

最初はそう、乾燥ポルチーニを持ってきてくれました。それがとても品質が良かった!当時、日本で手に入る乾燥ポルチーニは縮んでいたりして良いものが手に入らなかった。でも、持ってきてくれたものはスライスのされ方も良くて形状も素晴らしい。色も白くて一目見て良いものだとわかりました。そこからお付き合いが始まりましたね。

 

鉄村さん(ブォングスト代表取締役)とは年も近くて同世代。話をしていてもイタリアのことをよくご存知だし、私は店、鉄村さんは会社の代表として同じような立場。だから応援する気持ちも少しはあったかもしれません。でもそれだけではないです。あまりイタリア食材に詳しくない人もいる中で、まだまだ開拓されていないイタリア食材への知識も豊富で通じ合えた。だからブォングストさんから買おうって思いましたね。

ーー当時はまだまだイタリア食材が日本ではあまり流通していませんでした。

 

一般的なものはたくさんありましたけどね。現地でいろんな商品を見つけて仕入れてくる業者さんは限られていたように思います。ブォングストさんはイタリアに特化しているからユニークですよね。在庫するのも大変だと思います。まだ日本国内でのイタリアンに関するマーケットも大きくなっていなかった。だからはっきり言ってしまうと、我々の功績って大きいと思います。ブォングストさんもイタリアの食材を普及させた立役者の1人と言っても過言ではないです。

理想を求めて挑戦を続けてきた

 

ーーコロナの時期も大変でしたよね。

 

コロナの時期は大変でしたよね。外食したり、お店でワインを含むお酒を飲むということができなくなった。私たちもものすごく大変でしたけど食品卸の会社への助成金は飲食業に比べて少なかったと思うんです。そこもお互い乗り切ることができたのは感慨深いですね。

 

ーー理想のお店を目指していくためにどんなことをしてきましたか?

 

お店を大きくする、広げていくというのは大変なんです。雇用することの難しさや、店舗の規模が大きくなると考えることも増えていく。私は理想を追い求めたい性分。最高の環境で仕事ができる空間を作りたかった。だから何度も出店しています。理想を描く、理想に近づく、その繰り返し。先ほど雇用の話をしましたけど、たくさんのスタッフがいるお店を目指していたので、スタッフが「こんな厨房で仕事するのは嫌だ」と思った瞬間から質が下がってしまう。絶対にそんなことはしたくなかった。店内のレイアウトを変えたり、店を移転したり、そういうときはお金も惜しまない。それぐらい環境を大切にしてきました。キッチンも、調理器具も、空間デザインも、すべて。自分一人だけだったり家族経営であれば我慢できることも多いと思います。でもスタッフはそうではありません。キッチンも、調理器具も、空間も、全てが最高、そして僕が考案したレシピ!美味しいに決まっている。それくらいの覚悟と自信を持っています。

 

ーー挑戦の連続ですね。

 

それはブォングストさんも同じですよね。鉄村さんも挑戦の連続だったと思います。継続するって難しいんですよね。お店を継続するというのも大変です。一生懸命勉強して取り組まないと成功は得られない。私もいろんな失敗をしてきましたけど、挑戦して良かったと思えることばかりです。

幸せな人を増やしたい

 

ーー山根シェフにとってブォングストはどんな存在ですか?

 

「盟友」ですね。やっぱり日本国内でイタリアンがここまでメジャーになる前から立場は違えど一緒に頑張ってきました。30年間ずっとお取り引きが続いている。これはお互いにとって誇りですよね。途中で不義理があると続かない。でもブォングストさんとはずっと続いているということは信頼関係があるということです。10年、20年、30年、もうすぐ40年のお付き合いになります。これはすごいこと。1年だけ頑張ることは誰でもできるでしょう。でも40年です。これはお互いなかなか簡単なことではありません。

 

ちょっと言葉にすると恥ずかしいけど、私たちがやっていることで「幸せな人が増える」というのを目指したいですよね。先ほども述べた通り私は理想を目指したい性格です。だからそれを実現したい気持ちが尽きることはありません。これからも理想を実現するためにお互い努力し続けていきたいですね。

PONTE VECCHIO(ポンテベッキオ)
https://ponte-vecchio.co.jp/

 

オーナーシェフ 山根大助氏
1961年大阪生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業。

1984年に渡伊。ミラノ「グアルティエロ・マルケージ」をはじめ各地で研鑽。

1986年に帰国後、大阪本町橋に「リストランテ ポンテベッキオ」を開業。

1999年、イタリアで権威のあるレストランガイドブック「ガンベロロッソ」誌において、日本のイタリアンレストランの中で最高点の評価(84点)を獲得。

2002年、同誌においてポンテベッキオ本店が2回連続で日本のイタリアンレストランの1位(85点)に。また、モード ディ ポンテベッキオも2位(80点)を獲得。

2004年、イタリア文化普及の貢献にイタリア大統領から授与されるカヴァリエーレ「イタリア連帯の星騎士」賞を受勲。

2020年、農林水産省から日本の「食・食材・食文化」普及の取組に尽力した料理人を表する、料理人顕彰制度「料理マスターズ」ブロンズ賞受賞。同年、レストランガイドブック「ゴエミヨ」で、コック帽(トック)の数で表する美食の名店誌にて3トック20点満点獲得。

2023年 「ベスト・ファーザー イエローリボン賞」(ベスト・ファーザー賞 in 関西)受賞。
現在、YouTube動画「山根大助の全力イタリアン」配信中。
その他、著書やメディアへの出演も多数。
(ポンテベッキオ ウェブサイトより抜粋)

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